BEMS

BEMS(ベムス、Building Energy Management System)という単語を最近よく耳にするようになりました。Building Energy Management Systemの略で、ビルのエネルギーを管理するシステムの総称を指します。

BEMSとは

現状は、ビルに関わらず、工場、店舗、病院など各種建物のエネルギーをコントロールするシステムというものとして一般認知されています。

概要

建物に設置された設備や機器の運転データ/エネルギー使用量データを蓄積・解析し、効率よく制御することでエネルギー消費量の最適化/低減を図るシステムです。なお、BEMSという名称は、一般的にはオフィスビルなどの“ビル”を対象にしたシステムを指し、工場を対象にしたシステムをFEMS(Factory Energy Management System)と呼びますが、本質的には同じものです。

BEMSの予算について

BEMSは最近生まれたものではなく、10年以上前からあるものです。最近話題になっているのには省エネニーズが高まったことに加え、省エネ化を推進するために、国策としてBEMS普及に対し多額の予算が組まれたことが挙げられます。

(1)グリーンニューディール基金
2009年に造成したグリーンニューディール基金が最たるものです。それは予算として2012年までの3年間で約1000億円あり、事業者向けに補助金という形で今も交付されています。しかし、目的が“地球の温暖化対策”であり、対象となる事業者が限定されていること、事業者様に認知されていないこと、また認知していても申請の煩雑さと、申請しても否決される可能性があることから、一部の事業でのみ活用されています。しかし現状では、原発問題によるエネルギー単価上昇と、経済環境悪化による事業者の業績低迷により、地球よりも事業者が切迫した状況を迎えています。
(2)「BEMS(エネルギー管理システム)導入促進事業費補助金」
2012年経済産業省から事業者の支援のための活動として、「BEMS(エネルギー管理システム)導入促進事業費補助金」が制定されました。BEMS(エネルギー管理システム)導入促進事業費補助金とは、事業者が無理なく省エネ活動ができ、それにより電力消費量の抑制が達成できる目的としています。予算としては300億円とグリーンニューディール基金と比べて少ないですが、 多くの事業者が対象であり、また従来の補助金に比べて申請の手間がなく、否決の可能性が限りなく0に近いこと、かつ10%以上の省エネ化が確実であることから、今多くの事業者から注目を集めています。

BEMS(エネルギー管理システム)導入促進事業費補助金について

BEMS導入促進事業費補助金とは、事業者様のBEMS(ベムス)導入の促進し、事業者にとって無理のない節電を進め、電力消費量の削減とエネルギー使用の効率化を図り、国内の電力需要の抑制を実現することを目的としています。

補助対象者

日本国内において実施されている事業者で、電力会社との契約電力が1000Kw未満(原則は50Kw~500Kw )であって、以下の条件を満たすこと。

  • 1.SIIが認定した企業であるBEMSアグリゲータが、SIIに認定されたBEMSを建物に導入すること
  • 2.BEMSアグリゲータ との間で、1年以上のエネルギー管理支援サービル契約を締結すること
  • 3.BEMSアグリゲータを通じた申請、現状及びサービス開始後1年間の電力消費の実績を含む国への情報提供に関して同意していること
  • ※契約電力が50Kw未満や500Kw以上1000Kw未満の事業者様は、BEMS導入によって節電効果が見込まれる場合に限る
  • ※テナントなど、電力会社と直接契約を行っていない場合は、当該テナント単位で電力消費量の測定を行い、契約電力に相当するものが設定できる場合に限る
  • ※提出されたデーターは、国に提出された後、統計的な処理等をされて公表される場合がある

公募期間

平成24年4月から平成26年3月31日まで。

  • ただし、開始日はBEMSアグリゲータ毎に異なります。また補助対象工事及びその費用の支払完了は、平成26年2月28日までとなります。
  • 交付決定前に工事着工、契約を行っている事業は対象外となります。
  • 予算額に達した場合、補助事業期間内であっても事業終了となります。補助対象経費BEMS導入にかかる設備費、工事費が補助対象となります。

設備費

補助対象システム・機器の導入に必要な機械装置・計測装置等の購入、製造、既存設備の改造、または据え付け等に要する設備の費用(ただし、補助事業に係る土地の取得及び賃借料を除きます)

工事費

補助対象システム・機器の導入に不可欠な工事に要する費用

BEMSアグリゲータとは?

BEMS(ベムス)アグリゲータとは、本事業において、中小ビル等にBEMSを導入するとともに、クラウド等によって自ら集中管理システムを設置し、補助事業者に対しエネルギー管理支援サービス(電力消費量を把握し節電を支援するコンサルティングサービス)を行うエネルギー利用情報管理運営者として、一般社団法人環境共創イニシアチブ(略称:SII)に登録を受けた事業者のことです。

構成

基本的な構成要素 BEMSは、基本的に以下の3つの単位で構成されています。

(1)BAS(Building Automation System)

ビル内の設備や機器を遠隔制御するとともに、各種センサーからの情報を収集する。BASとビル内の機器などとは、BAS/機器メーカーの独自プロトコル、あるいはBACnet(バックネットと呼ぶ)などの業界標準的プロトコルで接続される

(2)EMS(Energy Management System)

BASを通して収集したデータなどを基に、当該ビルのエネルギー消費の最適化/低減を図る

(3)各種センサー、設備・機器

ビル内には、多種多様なセンサー、設備・機器がある。それらを整理すると以下のようになる

センサー類

  • 温度センサー(空調制御)
  • 照度センサー(照明制御)
  • 人感センサー(人感制御)

設備

  • 受変電設備
  • 空調設備
  • 熱源設備
  • 衛生設備
  • 電気設備
  • 給配水設備
  • 消防用設備
  • セキュリティ設備

これらを大規模かつ有機的に結合し、ビル全体の設備・機器の運転データ/エネルギー使用データを蓄積・解析することで、ビル全体のエネルギーを集中管理できるようにしたシステムを中央監視システムと呼びます。基本的には、ビル内で完結したシステムです。中央監視システムメーカーが運営する監視センターと通信回線で接続し、機器故障などの際への迅速な対応が受けられるシステムや、エネルギー使用データなどを外部のデータセンターに蓄積するシステムなどもあります。さらなる拡張機能として、テナントの電力メーター検針などを支援するBMSや、施設管理などを支援するFMSを追加することもあります。