電線・ケーブル類

電線ほど日常生活の向上、産業の発展、文化の向上に貢献しているものはありません。このために電線は社会の血管や神経に例えられています。

電線とは

電線は一般に、導体が絶縁体である保護被覆に覆われているものを指します。

素材と開発

正式には電気伝導体といい、導体電線の中の銅のことで移動可能な電荷を含み電気を通しやすい材料、すなわち電気伝導率(導電率)の高い素材のことを言います。導体は一般的には、電気用軟銅線が用いられています。必要な電流値に応じて断面積を選択します。またハンダ付けの作業性向上や銅の酸化を防止する保護メッキ等の目的から、スズメッキや銀メッキ、ニッケルメッキなどを施すこともあります。電線の細線化に応じて導体の強度を向上のために銅合金線を用いますが、導電率と強度を考慮して様々な合金線が開発されています。

定義

電気設備技術基準において定義されており、「強電流電気の伝送に使用する電気導体、絶縁物で被覆した電気導体又は絶縁物で被覆した上を保護被覆で保護した電気導体をいう」とされています。上記3種類は、「裸導体」、IV電線など被覆のみに覆われている「絶縁電線」、家庭用電気機器に使用される「コード」、VVFケーブルなどの「ケーブル」などは、すべて電線として適用することが可能であることを示しており、この定義に従い多様な用途・種類の電線が、各種メーカーによって生産販売されています。

材料

電線の汎用的な材料は、PVC(ポリ塩化ビニル混合物)です。PVCレジンに可塑剤、安定剤、充填剤、顔料などを配合しますが、配合によって柔軟性に富むものから強靭な半硬質タイプ、さらに耐熱性、耐寒性、耐油性などの特長を出すことができます。通信ケーブルにおいては、PE(ポリエチレン)が汎用的に使用されます。絶縁体というものは電気あるいは熱を通しにくい性質を持つ物質の総称ですが、電線においては合成樹脂を押出し成型して被覆したものを指します。

ケーブル・絶縁電線・コードの違い

ケーブル
ケーブルとは銅などの導体に絶縁性の被覆を施し、さらに外装と呼ばれるカバーをかけたものです。
コード
コードとは絶縁電線同様、銅などの導体に絶縁性の被覆を施しただけのものです。しかしコードは絶縁電線と違い可とう性があります。
絶縁電線
絶縁電線は銅などの導体に絶縁性の被覆を施しただけのものです。

電線の役割(電力用電線)

電力用電線は電気エネルギーを輸送することを役割としています。

  • 「送電」:発電所で起こされた電気を消費地の変電所に送る役目
  • 「配電」:変電所で所定の電圧に下げられた電気を工場・ビル・家庭等の電気引込口まで配る役目
  • 「配線」:電灯や機械装置等のある場所まで電気を導く役目

等の役割があります。

電線の役割(光ファイバケーブル)

光ファイバケーブルは電気信号を光信号に変換して伝送するシステムに用いるケーブルです。光ファイバは細くて軽く低損失で高速・大容量の情報伝達を可能とし、電磁誘導や雷害を受けず漏話が無いことから理想的な通信ケーブルと言われ、応用分野は今後ますます広がり多大の期待がされます。

巻線の種類

例えば発電機は外から力を加えて電気を発生させますが、モータは外から電気を送って回します。これらに使用される電線を「巻線」といいます。 巻線には2つの種類があります。

  • (1)電気機器の内部にコイル状に巻かれ、機械的エネルギーを電気的エネルギーに変えて発電に寄与するもの
  • (2)他の電線によって送られてきた電気的エネルギーを機械的エネルギーに変えて動力を得るもの

その他電線

上述の他に各種の電線が電車・航空機・船舶・自動車・人工衛星・玩具等非常に広範囲に使用され大きな役目を果たしています。

通信用の電線

通信用電線は電気による通信で、音声・画像・データ等の情報を伝送することを役割としています。 電気信号で情報伝達を行う電気通信のうち電線を使用して通信を行うものを「有線通信」、電線の代りに電磁波を用いて通信を行うものを「無線通信」といいます。有線通信が最も多く使われているのは公衆電話回線網ですが、これ以外にも鉄道通信・CATV等で広く使用されています。

方式

通信を行う情報としては音声・画像等のアナログ信号やデータ等のデジタル信号があり、これらの信号をそのまま電流の変化になおして伝送する「ベースバンド伝送方式」と、何回線分かをまとめて伝送する「多重伝送方式」があります。一般的に伝送には非常に高い周波数帯まで必要とされるため、従来は搬送用ケーブル、同軸ケーブルといった特殊なケーブルが使用されていましたが、最近では広帯域・低損失しかも無誘導という大きな特徴を有する光ファイバが広く使用されるようになりました。

ケーブルとは

主に導体に絶縁を施した一本一本の絶縁電線の上にシース(保護外被覆)を施した電線を指します。また電気を通す目的でなく、光や通信目的とした物もケーブルと指します。

シースについて

シースとはケーブルの最も外側の被覆のことを指し、絶縁体を更に保護するものです。ケーブルを構成している素材や芯数が変わることによって許容電流が変ります。それに応じてケーブルの柔らかさや強さが変わり使用する環境や用途も変わります。シース素材として天然ゴムやクロロプレンゴム(ネオプレン)、 ビニルなどがあります。

ケーブル・絶縁電線・コードの使用上の留意点

ケーブルは、絶縁層を保護するために外装が施してありますので、そのまま建物内に通線することができます。しかし、絶縁電線は配管を敷設し、配管の中に通線する必要があります。また、コードは露出の状態で使用しなければいけません。モールや配管の中を通線したり、壁や柱に固定することは禁じられています。

ケーブルの種類

略号:CV 和名:架橋ポリエチレン絶縁ビニル外装ケーブル
屋外の配電線や、ビルなどの建築物の幹線のよく用いられます。絶縁層に架橋ポリエチレンを使用し耐熱性が高いため、電流容量が大きく信頼性の高いケーブルです。CVが2本寄り合わされるとCVD、3本寄り合わされるとCVT、4本寄り合わされるとCVQと呼ばれます。
略号:VVF 和名:ビニル絶縁ビニル外装ケーブル
屋内低圧配線の大半がVVFを使用しています。形状が平型であるため壁や柱等に密着しやすく、可とう性に富んでいることから施工しやすいケーブルです。電源線・ニュートラル線の2芯のタイプと、電源線・ニュートラル線・アース線の3芯のタイプがあります。
略号:AE 和名:自動火災報知器警報用ポリエチレン絶縁ビニル外装ケーブル
自動火災報知器警報用電線として認められているケーブルです。構造が単純なため施工性がよく、火災感知器の配線に用いられます。
略号:CPEV 和名:市内対ポリエチレン絶縁ビニル外装ケーブル
建物内の電話や有線放送等、通信用に広く用いられているケーブルです。芯数の種類も多数あり、用途により使い分けることができます。多芯であってもすべて色分けされていて、ケーブル発点と着点で対向の確認がとりやすくなっています。