風力発電

風力発電設備は、風によるエネルギー「風の力」で風車をまわし、その回転運動を発電機に伝えて「電気」を起こします。

風力発電とは

風力発電は、風の力で羽根を回してCO2(二酸化炭素)を発生させずに発電する仕組みです。風車の形態にはいくつかありますが、大型発電用は水平軸の三枚翼が主流で、風のエネルギーの約40%を電気として取り出すことができます。

特徴

風力発電は、風力エネルギーの約40%を電気エネルギーに変換できる比較的効率の良いものです。発電量の増減に対処するために、なるべく広い範囲に多くの風車を建てることで、出力変動を平準化することができます。それでも不足する場合は、火力や水力発電で補い調整します。また近年では、天気予報に基づいた発電量の予測技術や、変動する出力を需要側で吸収する技術なども開発されています。

仕組み

「風の力」で風車をまわし、その回転運動を発電機に伝えて「電気」を起こします。「風力エネルギー」は風を受ける面積と空気の密度と風速の3乗に比例します。風を受ける面積や空気の密度を一定にすると、風速が2倍になると風力エネルギーは8倍になります。風車は風の吹いてくる方向に向きを変え、 常に風の力を最大限に受け取れる仕組みになっています。台風などで風が強すぎるときは、風車が壊れないように可変ピッチが働き、風を受けても風車が回らないようにします。風力発電は、風の運動エネルギーの約40%を電気エネルギーに変換できるので効率性にも優れ、また大型になるほど格安になる(規模のメリットが働く)ため、大型化すれば発電のコスト低減も期待できます。

メリット

風力によるエネルギーは、太陽熱を得られる限り存在する、無尽蔵に発生する再生可能エネルギーですから、二酸化炭素や排気ガスが発生することなく、クリーンな発電設備として注目されています。風力発電には、次の利点があります。

  • 1.環境に良い。有害な排気を出さない。
  • 2.石油や天然ガスを使わない。
  • 3.風は“国産資源”で“無くならない”。
  • 4.産業や雇用の創出にも役立つ

デメリット

  • 風力のエネルギー密度は薄いため、大電力を得るには風の強い広大な場所が必要になるということがあります。
  • 風の速さや向きの変化によって発電量が増減し、出力が一定しない
  • プロペラの回転音が騒音問題となる事例も多く、プロペラから発せられる低周波音は近隣に住む人達に、低周波による騒音公害を与える可能性がある。
  • 高速で回転するプロペラは、鳥などの動物に接触するおそれがあり、付近の生態系を破壊する原因になる可能性もある。
  • 風が吹かない時間はまったく発電しないので、発電時間が不規則で、地域によってばらつきが大きい。

風力発電の風車の形状も多数あり、プロペラ型、サボニウス型、ダリウス型、オランダ型などが代表的です。プロペラ型がよく目にされますが、これは発電を目的としたとき、最も効率が高いとされているからです。また、大型の風車だけでなく定格出力が数kW以下の小型風力発電は、補完型の分散電源として利用されています。プロペラ型以外にもいろいろな形式の風車があります。それぞれのプロペラ形状により、発電効率や風を捕捉する性能、騒音値などが違っており、設置場所や用途に合わせて選定する必要があります。同じ風を受けても風車の性能によって発電できる電気の量が違ってくるのです。

特徴

大きく分けると、回転軸の方向で水平軸風車と垂直軸風車に分けられます。サボニウス型、ダリウス型は、回転軸が縦についており風向きを選ばずに発電でき、デザイン的にも趣向を凝らしたものも存在します。垂直軸型風車とよばれるクロスフロー型、サボニウス型の風車は、パワーが小さいものの弱い風でもよく回り、最新型のプロペラ型巨大風車は強い風が必要ですが、パワーが大きいことがわかります。

設置場所

アメリカや中国の広大な平原をはじめ、ヨーロッパの北海やバルト海には、何千台も大型風車が建てられており、大型火力発電所並の電気を生み出しています。日本では、安定した風力(平均風速6m/秒以上)の得られる、北海道・青森・秋田などの海岸部や沖縄の島々などで、440基以上が稼動しています。風力発電を設置するには、その場所までの搬入道路があることや、近くに高圧送電線が通っているなどの条件を満たすことが必要です。

導入実績

日本の風力発電導入実績は、まだまだ低いレベルにあり、全世界のわずか1.5%程度に過ぎません。風力発電設備を設置するためには、安定的な風に恵まれていることはもちろんのこと、設置場所への搬入路や送電線の確保が必要であり、地形が複雑な日本にとっては潜在的な制約が存在します。

事例

郡山布引高原風力発電所(出力65,980kW)
猪苗代湖の南に広がる標高1,000mを超える布引高原に位置する、国内最大のウインドファーム。周囲は有名な布引大根の産地であり、農業との共生を図り、建設を進めている。平成20年度新エネ大賞「新エネルギー財団会長賞」受賞。
北条砂丘風力発電所(出力13,500kW)
鳥取県北栄町が運営する風力発電所。自治体直営としては日本最大規模を誇るウィンドファームで、鳥取県のほぼ中央に位置し、日本海沿岸に沿った農地の中に立っている。風車の最高到達点は103.5m。
フェリス女学院大学風力発電(出力合計2.5kW)
フェリス女学院では1888年、横浜の山手の丘に地下水を汲みあげるための「赤い風車」を取り付け、地域の 人々に親しまれた歴史を持つ。2005年「赤い風車」にちなんだ風力発電用の風車が同校緑園キャンパスに設置され、エコキャンパスのシンボルとなっています。平成18年度新エネ大賞「新エネルギー財団会長賞」受賞。
エコロ二十一(出力:車の速度等により異なる)
京都市内でタクシー業を展開するエコロ二十一では、全車両(20台)の屋根に風力発電機付き行灯を設置し、走行時の風を利用して発電した電気で、乗客の携帯電話への充電を行っています。現在では「プロペラタクシー」などのニックネームで市民に広く親しまれています。
ウインド・パワーかみす洋上風力発電所(出力14,000kW)
ウィンド・パワーかみす洋上風力発電所は、2010年6月に運転を始めた日本初の本格的洋上風力発電所。ダウンウィンド型という、プロペラを風下側につけた方式で、風車は海を背に陸に向かってプロペラを回しています。この風車1基の発電出力は約2千キロワット。総出力1万4千キロワット。全7基で約7千世帯の年間使用電力量をまかなえるそうです。

世界の風力発電

世界では風力発電は既に普通の発電設備の一つになっています。 2009年末には世界中で158ギガワット(100万キロワットの大型原発158基分)?約15万台の風車が回っています。これは世界の発電設備の約3%に相当し、電力の約1.7%を供給しています。ここ10年の成長率は平均28%(10年で12倍)とめざましく、2009年には約37ギガワット?約2万台の風車が新たに建設されました。これは世界の新設電源の10%以上(欧米では40%以上)に相当します。

今後

風力発電設備を設置するためには、安定的な風に恵まれていることはもちろんのこと、設置場所への搬入路や送電線の確保が必要であり、地形が複雑な日本にとっては潜在的な制約が存在します。 今後は、日本特有の地形や気象条件に対応した風車や、革新的な大型風車の開発による発電コストの低減、規制緩和による立地点の確保、電力系統に与える影響を緩和するための出力安定化技術の開発などにより、一層の普及が望まれます。

『WIND EXPO』とは

WIND EXPOは、日本最大の風力発電システムに関する、あらゆる部品、装置、構成機器、関連サービス、および大型風車・小型風車が一堂に出展する国際商談展です。

来場対象者

下記のような風力発電システムに関わる研究、開発、設計、製造などの専門家の方々

  • 風車メーカー(大型/小型)
  • 電力会社/エネルギー関連企業
  • 運用/メンテナンス関連会社
  • 建築/住宅関連企業
  • 自治体/法人ユーザー
  • 風力発電事業者
  • 輸送/据付/建設関連業者
  • ディベロッパー
  • 商社/販売代理店